フィットネスやスポーツクラブ、スクール業界に特化した会員管理SaaSを展開する「株式会社hacomono」。近年は「ウェルネス×テクノロジー」の文脈で注目を集め、急成長を遂げています。SaaS企業への転職を検討する営業職にとって、同社はキャリアアップの有力候補といえるでしょう。
本記事では、hacomonoの事業内容・将来性・営業職の働き方・年収水準・評判・面接対策 を詳しく解説します。特に営業職は「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」に分けて紹介し、どのようなキャリア形成ができるのかを整理しました。
1. 株式会社hacomonoとは?
株式会社hacomonoは、2013年に設立されたスタートアップ企業で、本社は東京都渋谷区にあります。同社が展開する主力サービス「hacomono」は、予約・決済・会員管理が一体化したSaaS型プラットフォーム。
従来、フィットネスジムやスクール業界では「予約は紙台帳」「会員管理はエクセル」「決済は別システム」といった分断が課題でした。hacomonoはこれをクラウド上で統合し、利用者はスマホアプリで予約・決済が完結、店舗側は運営効率を飛躍的に高められる点が特徴です。
すでに大手フィットネスジム、ヨガスタジオ、スイミングスクールなどで導入が進んでおり、利用者数は急増しています。
- 会社概要: https://hacomono.jp/company/
- プロダクト紹介: https://hacomono.jp/product/
2. hacomonoの事業の将来性
市場背景
フィットネス市場は日本でも年々拡大しており、コロナ禍以降は「オンライン×オフライン」のハイブリッド型運営が主流になりつつあります。加えて、ウェルネスや健康経営への関心の高まりが、業界全体のDX需要を押し上げています。
SaaSモデルの強み
hacomonoはSaaS型のストックビジネスであり、導入企業が増えるほどARR(年間経常収益)が積み上がる仕組みです。売上の安定性・将来予測のしやすさから、投資家や転職市場でも評価が高いポイントです。
今後の展望
- フィットネス業界から「スクール全般」への横展開
- 健康保険組合や大企業の福利厚生分野への応用
- IPO(株式上場)を視野に入れた成長資金調達
根拠URL:
- フィットネス市場動向: https://www.jfia.or.jp/
- SaaSモデルの解説: https://www.itmedia.co.jp/im/articles/2003/06/news011.html
3. hacomonoの営業職の仕事内容
営業職は大きく「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」に分かれています。それぞれの役割を整理します。
インサイドセールス(IS)
- マーケティング部門が獲得したリードに対してアプローチ
- 電話・メール・オンライン商談で顧客課題をヒアリング
- 商談化率を高め、フィールドセールスに案件をパスする役割
- KPIは「商談創出件数」「アポイント率」
フィールドセールス(FS)
- インサイドから引き継いだ案件の深掘り
- 顧客の業務課題(会員管理・決済効率化など)をヒアリング
- デモ提案・見積・クロージングを担当
- KPIは「受注件数」「月間ARRの獲得額」
カスタマーサクセス(CS)
- 導入後のオンボーディング支援
- 顧客の定着率向上(解約防止)、利用拡大(アップセル)
- 新機能の提案やサポートを通じてLTVを最大化
- KPIは「解約率(Churn)」「アップセル率」
この3部門が「The Model型」営業組織として連携しているのが特徴です。
4. 年収・待遇について
想定年収レンジ
- インサイドセールス: 400〜600万円
- フィールドセールス: 500〜800万円
- カスタマーサクセス: 450〜700万円
※成長フェーズのSaaSスタートアップであるため、成果に応じたインセンティブやストックオプションが設定されるケースもあります。
福利厚生・働き方
- リモートワーク・フレックス制度あり
- 社内にフィットネス・スポーツ好きの社員が多く、文化的親和性が高い
- 若手中心の組織でスピード感がある
比較例(同規模SaaS企業の営業職年収)
- SmartHR: 500〜900万円
- カオナビ: 450〜800万円
- Sansan: 600〜1000万円
根拠URL:
- OpenWork(口コミ・年収データ): https://www.vorkers.com/
- 転職会議: https://jobtalk.jp/
5. hacomonoの評判・口コミ
ポジティブな評判
- 「SaaSベンチャーらしく裁量が大きい」
- 「フィットネス業界のDXを支えているという社会的意義を感じる」
- 「若手でも責任ある案件を任せてもらえる」
ネガティブな評判
- 「変化が激しく、プロセスが固まっていない」
- 「成果主義のため数字プレッシャーが強い」
- 「制度や福利厚生はまだ整備途上」
参考URL:
- OpenWork: https://www.vorkers.com/
- 転職会議: https://jobtalk.jp/
6. 中途採用・面接対策
募集ポジションの傾向
- インサイドセールス(リード獲得)
- フィールドセールス(新規開拓・提案営業)
- カスタマーサクセス(導入・定着支援)
- PdMやマーケティング職も随時採用
求められる人物像
- SaaSやITツールの営業経験
- 無形商材営業(広告、人材、教育など)の経験
- フィットネス・スポーツ業界への興味
- 変化を楽しめる柔軟性
面接でよく聞かれる質問例
- 「これまでの営業実績を数字で教えてください」
- 「無形商材営業とhacomonoのSaaS営業の違いをどう考えますか?」
- 「フィットネス業界の課題をどう解決したいですか?」
根拠URL:
7. hacomonoと競合企業の比較
競合となるSaaS企業と比較してみます。
✅ hacomonoの直接競合候補
- hacomonoと同様にフィットネス・スクール領域の予約・会員管理を扱う企業
- 株式会社エヌ・シー・ジャパン(SmartGYM)
フィットネスジム向けの会員管理・決済システム。 - 株式会社NTTデータ(ClubNetなど)
スイミングスクール・スポーツクラブ向けの会員管理システム。 - 株式会社アライズイノベーション(hacomono以前からのスクール管理システム)
英会話・音楽教室・カルチャースクールなどの予約・決済機能を提供。 - MOSH(モッシュ)
インストラクター・パーソナルトレーナー向けの予約・決済プラットフォーム。 - ReseBook(リザーブック)
予約・顧客管理システム(スクール・ジム・エステなど広く対応)。
- 株式会社エヌ・シー・ジャパン(SmartGYM)
✅ 間接競合(別領域から攻めてきているプレイヤー)
- POSレジ系のSaaS(Airレジ、スマレジ、Squareなど)
→ 会員制ビジネス特化ではないが、決済・顧客データ管理で領域が重なる。 - 大手フィットネスクラブの自社開発システム
→ テクノロジーが進めば外販される可能性がある。
✅ 競合整理のポイント
- 直接競合:フィットネス・スクール業界の「会員管理+予約+決済」領域
- 間接競合:POS・人事労務SaaSなど、機能の一部が重なる企業
- 将来の競合:大手プラットフォーマー(Google/Apple/楽天など)が健康・スポーツ領域に参入する可能性
hacomonoと競合比較表
企業・サービス名 | 主な機能 | 対象市場 | 強み | 弱み |
---|---|---|---|---|
hacomono | 予約・会員管理・決済の一体型SaaS、アプリ連携 | フィットネスジム、ヨガスタジオ、スクール全般 | UI/UXに優れ導入が容易/顧客体験を高めるスマホアプリ完備/スタートアップならではのスピード感 | 大手に比べ知名度が低い/サポート体制は拡大途上 |
SmartGYM(エヌ・シー・ジャパン) | 会員管理、予約、決済 | フィットネスジム | フィットネス特化で業務フローに最適化/比較的安価 | 汎用性は低く、他業種スクールには不向き |
ClubNet(NTTデータ) | 会員管理、出席管理、請求管理 | スイミングスクール、スポーツクラブ | 大手の安定感/大規模施設向けに強み | UIが古い/柔軟性に欠け、導入に時間がかかる |
MOSH | 予約、決済、ファンコミュニティ機能 | パーソナルトレーナー、インストラクター、個人事業主 | 個人利用に強み/SNS連携がスムーズ/導入が簡単 | 法人向け機能は弱い/大規模利用には不向き |
ReseBook(リザーブック) | 予約、顧客管理、決済 | エステ、ジム、スクールなど広範囲 | 幅広い業界に対応/多店舗管理にも強い | フィットネス特化ではなく、深い業務知識が弱い |
POS系SaaS(Airレジ/スマレジ/Square) | POS、決済、顧客データ管理 | 飲食、小売、ジムの一部 | 決済領域に強み/低コストで導入可能 | 会員制モデルに最適化されていない/予約や定期課金に弱い |
hacomono 競合比較まとめ
- hacomono は「会員制ビジネス特化型SaaS」で、ジムやスクールに最適化されているのが最大の強み。
- SmartGYM や ClubNet は同じくフィットネス・スクール特化だが、UIや柔軟性の点で旧来型の側面が強い。
- MOSH や ReseBook は小規模〜中規模向けで、個人事業主や多業態に対応できる点で差別化。
- POS系SaaS は決済・顧客データ管理は強いが、会員制ビジネスへの最適化では弱い。
8. こんな人にhacomonoはおすすめ
- おすすめな人
- SaaS営業に挑戦したい
- フィットネスやスポーツ業界に関心がある
- 成長フェーズの企業で裁量を持ちたい
- おすすめしない人
- 安定志向、大企業的な制度を求める
- 明確な営業フローが整った環境で働きたい
競合比較を踏まえた営業キャリア視点でのアドバイス
- 提案のしやすさ
SmartGYMやClubNetと比べると、hacomonoはUI/UXや導入スピードで優位性があり、営業として顧客に刺さりやすい提案が可能です。営業活動において「プロダクトの競争力があること」は大きな武器になります。 - 市場ポジションの魅力
MOSHやReseBookは小規模向け、POS系SaaSは会員制ビジネスに最適化されていないため、中規模〜大規模フィットネス・スクールをターゲットにするhacomonoは独自ポジションを確立しています。営業として「成約確度の高い市場で戦える」点はキャリア形成にプラスです。 - キャリア形成の幅
SaaS営業は「The Model型」のキャリアステップを踏めるのが特徴です。インサイドセールス→フィールドセールス→カスタマーサクセスへと経験を積むことで、SaaS業界全体で評価される汎用性の高いスキルを獲得できます。将来的に他のSaaS大手やグローバルSaaS企業へ転職する際にも、強いキャリアの基盤となるでしょう。
まとめ
株式会社hacomonoは、フィットネス・スクール業界に革新をもたらす成長中のSaaS企業です。営業職は「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」と役割分担が明確で、それぞれに成長機会があります。
一方で、変化の速さや成果主義的な環境は人を選ぶため、自身のキャリア志向と照らし合わせて判断することが大切です。
転職を検討している方は、競合比較や口コミを参考にしつつ、将来性のあるSaaS市場でのキャリア形成を目指すと良いでしょう。
コメント