HR SaaSとは?市場規模と主要プロダクトを徹底比較【2025年・営業職転職者向け】

HR SaaS徹底比較 2025年版を示す横長アイキャッチ画像(クラウド+成長グラフ+人物アイコン入り)

1|HR SaaSとは?営業目線で押さえる基礎知識

HR SaaS(人事SaaS)は、労務・勤怠・タレントマネジメント・採用管理などの人事業務をクラウド経由で提供するサービス群です。オンプレミス型パッケージと異なり、

  • 月額サブスク課金で予算化しやすい
  • ブラウザ上で常に最新版を利用できる
  • 法改正(電子帳簿保存法、人的資本開示など)へ自動対応
    というメリットがあり、ユーザー側の長期契約化=LTV向上が見込めるため**“リカーリングモデルに最適化された営業体制”**を構築しやすいのが特徴です。

営業職の着眼点

  • 受注よりも**解約率(チャーン)**を下げるKPIが重視される
  • ARR(年間経常収益)を伸ばすために “アップセル・クロスセル” が不可欠
  • セールスとカスタマーサクセスが協働し、顧客LTVを最大化 するカルチャー

2|国内HR SaaS市場の成長ポテンシャル

矢野経済研究所の最新レポートでは、国内HR SaaS市場は2025年に1,710億円へ到達し、21年比で約4倍に拡大すると予測しています。営業マン視点で注目したいのは、

  1. 導入社数の絶対的伸び:法改正対応を理由に中小企業まで導入対象が拡大
  2. 追加モジュール販売機会:労務→勤怠→タレマネの“横展開営業”がしやすい
  3. 競合入れ替えニーズ:UI/UXやサポート品質を理由に**“2周目のリプレイス需要”**が立ち上がりつつある

リプレイス案件は、既存システムのペインが顕在化しているぶん受注単価と決裁速度が上がることが多く、ハイタッチ営業の提案力が大きく収益に直結します。


3|主要カテゴリ別プロダクト早見表

カテゴリ代表サービス導入社数主な顧客月額例*
労務クラウドSmartHR70,000社超従業員50~2,000名規模企業5,500円〜
タレントマネジメントカオナビ4,000社超300~5,000名の中堅~上場企業要見積もり
タレントマネジメントHRBrain2,700社100~1,000名の成長企業39,800円〜

*2025年7月時点、公式サイト参照・最安プラン(税抜)


4|【新設】SmartHR・カオナビ・HRBrain 徹底比較

4-1 会社概要とビジネスモデル

観点SmartHRカオナビHRBrain
設立2013年2008年2016年
従業員数約1,800名約650名約300名
売上高(FY24)284億円88億円非公開(推計25億円)
主力領域労務手続き・給与計算APIタレントマネジメントOKR・1on1・評価
追加モジュール勤怠・給与計算・ラーニング人的資本レポート人事評価・組織診断

4-2 セールス組織のスタイル

項目SmartHRカオナビHRBrain
分業度SDR → フィールドセールス → CSで完全分業インサイド+フィールドのハイブリッドSDRを置かずFSが初回商談も担当
主要KPI新規ARR / クロスセルARRバックログ消化率 / エンタープライズ獲得数商談創出数 / 受注率
商談平均単価150〜250万円/年300〜450万円/年100〜180万円/年
セールスツールSalesforce / HubSpot / GongSalesforce / docbaseHubSpot / Slack

ポイント解説

  • SmartHRはロータッチからハイタッチまで幅広い顧客層を持つため、営業レイヤーが細かく分かれています。ARR1,000万円超の大型案件でクロージング力を発揮したい方に向く一方、SDR→FS→CSのキャリアパスが明確なので“分業環境で学びたいジュニア層”にも魅力的です。
  • カオナビはBtoB SaaSでも珍しく「エンタープライズ率(従業員1,000名超顧客比率)」が高いのが特徴。セールスはRFP読み解きや経営層プレゼンが必須で、提案フェーズが長いぶん1件あたりのARRが大きいのが強みです。
  • HRBrainはスタートアップ・ミドル市場に集中。営業が初回商談~契約クロージングまで一気通貫で動きたいハンタータイプにフィットします。プロダクト開発スピードが速く、機能リリースを起点としたアップセル提案で成果を出す事例が多いです。

4-3 年収水準とインセンティブ

ポジションSmartHRカオナビHRBrain
Jr.インサイドセールス450〜550万円400〜520万円380〜500万円
フィールドセールス600〜900万円650〜1,000万円550〜850万円
シニア / Mgr.950〜1,300万円1,000〜1,400万円850〜1,100万円
インセン比率固定7:変動3固定6:変動4固定7:変動3

複数社オファーを比較するときは、**「変動比率」「Qごとのキャップ有無」「リカリング指標に対するコミッション設計」**を必ず確認しましょう。同じベース年収でも、チャーンが高い商材の場合は翌年の歩合が激減するケースがあります。

4-4 カルチャー比較

指標SmartHRカオナビHRBrain
Valueキーワード誠実/理想ドリブン顔写真がすべての起点Stretch & Learn
マネジメントOKR+1on1文化が浸透評価は9boxを採用週次でハドルミーティング
リモート可否原則フルリモート可(週1出社推奨)週3出社推奨フルフレックス/全国採用

5|導入メリット・課題整理(営業が提案で使える論点)

メリット

  • ROIの可視化がしやすい:工数削減、法令リスク回避、離職率改善を数値で算出できる
  • 拡張余地が大きい:人事領域はモジュール横展開・オプション課金が豊富
  • 高いリテンション:法対応・データ蓄積により顧客が離れにくい

課題

  1. レガシー人事システムからのデータ移行
  2. ベンダーロックイン懸念(API・エクスポート範囲を事前確認)
  3. 年間コスト増(従業員1,000名超ではオンプレ優位のケースあり)

営業トークで最も刺さるのは、**「給与・勤怠・タレマネのデータを統合し、離職防止→採用コスト削減を実現」**というストーリーです。経営層へのプレゼン資料に活用できるROI計算テンプレはチェックリスト内で提供しています。


6|転職活動で押さえる4ステップ

  1. キャリアゴールを定義:ハンター型で大型ARRを狙うか、カスタマーサクセス寄りでLTV最大化を目指すか。
  2. 3社のカルチャーフィットを比較:ワークライフバランス・成長速度・分業度。
  3. 面接準備
    • SmartHR:Why SmartHR?を深掘りされる
    • カオナビ:エンタープライズRFPの読み解き経験を問われる
    • HRBrain:機能リリース後のアップセル成功事例を語れるか
  4. オファー比較:コミッション設計とストックオプション比率を確認。

7|FAQ(よくある質問)

Q. SmartHRとカオナビ、どちらがセールスとして年収を伸ばしやすい?
A. エンタープライズ案件で1件あたりのARRが大きいカオナビの方が上振れ余地は大きい。一方、SmartHRは市場シェアが高く初回商談創出のハードルが低いので安定的に成果を出しやすい。

Q. HRBrainは指名検索ボリュームが少ないけど将来性は?
A. ミドル市場を中心にOKR・1on1需要が拡大中。競合がSmartHRやカオナビと比べて少なく、**「ブルーオーシャンで営業レイヤーが不足」**しているのが逆にチャンス。

Q. SaaS未経験でも入社できる?
A. 3社とも「無形商材の法人営業」「KPIドリブンな営業設計」の経験があれば書類通過率は十分高い。ExcelやBIツールでのレポーティング実績は面接で強いアピール材料になる。


8|まとめ ― まずは3社のセールスモデルを体感せよ

  • SmartHR:市場シェアNo.1の労務クラウド。分業型で再現性の高い営業プロセスを学べる。
  • カオナビ:タレマネ特化で高単価エンタープライズを攻める。経営層プレゼンを武器に年収1,000万円超を狙える。
  • HRBrain:機能追加速度が速いスタートアップ。1→10フェーズで裁量を持って案件を獲得したいハンター向き。

次のアクション

  1. SmartHR転職ガイド(/smarthr-careers/)で面接深掘り質問をチェック
  2. カオナビ面接対策(/kaonavi-interview/)でエンプラ提案のコツを学習
  3. HRBrain転職ストーリー(/hrbrain-careers/)でアップセル事例を把握

出典

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