はじめに|SaaS企業への転職は本当にアリ?
ここ数年、「SaaS企業への転職」や「SaaS業界でキャリアを築く」といったワードが急増しています。特に20〜30代の営業職・IT職を中心に注目を集めており、未経験からの転職を目指す人も少なくありません。
しかし、実際にSaaS業界で働くメリットとデメリットを正確に理解している人は意外と少ないのが現状です。
この記事では、SaaS企業でキャリアを積むことで得られるメリットや、注意すべきデメリット、そして向いている人の特徴まで詳しく解説していきます。
SaaS企業とは?基礎知識をおさらい
SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアをクラウド上で提供するサービスモデルのこと。従来の「パッケージ販売型ソフトウェア」とは異なり、サブスクリプション形式(月額や年額)で提供されるのが一般的です。
代表的なSaaS企業には以下があります。
企業名 | 主なサービス |
---|---|
SmartHR | 人事・労務管理クラウド |
Sansan | 名刺管理・営業支援クラウド |
カオナビ | タレントマネジメントシステム |
freee | 会計・労務管理クラウド |
マネーフォワード | バックオフィス支援SaaS |
SaaS業界は近年、日本国内でも急成長しており、矢野経済研究所の調査によると2025年には1兆円市場を超えると予測されています(出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3172)。
SaaS企業で働くメリット5選
1. 年収が上がるチャンスが多い
SaaS企業は成果主義の文化が強く、特に営業職では実績に応じて年収が上がりやすい傾向があります。
- 固定給+インセンティブ制が一般的
- ストックオプションやSO制度のチャンスもあり
2. ITスキルとセールススキルが同時に身につく
SaaS商材は無形かつ複雑なため、提案には業務理解とシステム知識が求められます。これにより以下のスキルが磨かれます。
- 顧客課題を把握するコンサルティング力
- SaaSリテラシー(ITに強くなる)
- 分析力やロジカルシンキング
3. キャリアの市場価値が上がる
SaaS業界経験者は以下の理由で転職市場で評価されやすいです。
- 成長市場の経験者としての希少性
- セールス・CS・PdMなど幅広い職種に応用可能
- フレームワーク思考(The Modelなど)の実践力
4. 柔軟な働き方が可能
- フルリモートやフレックス制度を導入している企業が多い
- 地方在住でも活躍可能なポジションあり
5. 成果が評価に直結する文化
年功序列ではなく「成果=評価」となるため、努力が正当に評価されやすい点も魅力です。
SaaS企業で働くデメリット・注意点
1. 成果プレッシャーが強い
自由度が高い一方で、以下のようなプレッシャーがあります。
- KPI管理が厳密(例:商談数、受注率、ARR)
- 成果が出ないと評価が下がる
2. 業務が属人化・カオスになりがち
急成長企業ではルール整備やマニュアルが追いついておらず、以下の課題が出ることも。
- 教育制度が未整備なケースあり
- オーバーワークになりやすい
3. 専門知識が必要で学習コストが高い
- IT用語や顧客の業務知識をキャッチアップする必要がある
- 学習意欲が低いと置いていかれるリスクも
4. ブラックな企業も一部存在
「自由・裁量」に見えて実は「放置」されるケースもあり。以下のような口コミが存在します。
「毎週50時間を超える残業。Slack通知が夜中でも鳴る」
(出典:https://www.openwork.jp/)
SaaS企業に向いている人・向いていない人
向いている人の特徴
- 自ら学ぶ意欲がある
- フレームワークや改善が好き
- テクノロジーに興味がある
- 数値に強く、PDCAを回せる
向いていない人の特徴
- 指示待ちで動きたい人
- 安定したルーティン業務を望む人
- 新しい環境・変化に弱い人
SaaS企業でのキャリアは将来性がある?
SaaS業界の将来性は非常に高いとされています。
- サブスク型モデルが社会インフラ化している
- 投資家・経営者からの注目度が高い
- 2025年以降も市場拡大が予想される(出典:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/cloud/)
また、SaaS業界での経験は以下のキャリアにも活かせます。
- キャリアアップ:マネージャー職、企画職、事業開発
- キャリアチェンジ:カスタマーサクセス、PdM、マーケティング
- キャリア独立:フリーランス営業、コンサルタント
まとめ|SaaS企業への転職を検討するなら
SaaS企業には魅力的な点が多数ありますが、一方で成長ゆえの課題も抱えています。
転職を検討する際は、以下を意識しましょう。
- 自身の志向や強みとの相性を見極める
- 企業フェーズ(シリーズA/B/上場済)を確認する
- OpenWorkやカジュアル面談を活用する
- SaaS転職に特化した転職エージェントを活用する
関連リンク・参考資料
- 矢野経済研究所|SaaS市場規模 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3172
- 経済産業省|クラウドサービスの動向 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/cloud/
- OpenWork|SaaS企業の口コミ https://www.openwork.jp/
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