SaaS企業でキャリアを積むメリット・デメリットとは?向いている人・やめとけと言われる理由も徹底解説【2025年最新版】

SaaS企業でキャリアを積むメリット・デメリットを解説するバナー画像。向いている人とやめとけと言われる理由を男女のイラストで表現したデザイン。

SaaS(Software as a Service)業界は、近年日本国内でも急成長している市場のひとつです。
未経験からの転職者や若手営業職の間で特に人気が高まっており、「これからのキャリアを築くならSaaS業界がおすすめ」とも言われるほどです。

一方で、成長市場ならではの厳しさや向き不向きがあり、「やめとけ」という声も聞かれます。

本記事では、以下のポイントを中心に、SaaS企業への転職を検討する方に役立つ情報をまとめました。

✅ SaaS企業で働くメリット・デメリット
✅ SaaS企業に向いている人・向かない人の特徴
✅ SaaS業界のキャリアパスや将来性
✅ 他業界との比較ポイント

転職先選びで迷っている方や、SaaS業界のリアルな情報を知りたい方はぜひ最後までご覧ください。


目次

SaaS企業で働く5つのメリット

SaaS業界で働く魅力は、他の業界と比べても非常に大きいものがあります。
以下では、代表的なメリットを5つ紹介します。


1. 圧倒的な成長市場で経験を積める

SaaS市場は日本国内でも年率20%以上のペースで成長しています。
経済産業省の資料によると、クラウド化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、需要が今後も増え続ける見込みです。

出典: https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/cloud/saas.html

成長市場に身を置くことで、次のようなメリットがあります。

  • 最新のビジネススキルを習得できる
  • 成果を出せば昇進や年収アップが早い
  • 将来性の高い人材になれる

変化の激しい環境でこそ成長できる、と考える方には最適な業界です。


2. 最先端のIT・無形商材に関われる

SaaSは「モノ」を売るのではなく、「サービス」を提供する無形商材です。
顧客の業務効率化や課題解決を直接支援できるため、営業としても達成感が得られます。

また、クラウドやデータ分析、マーケティングオートメーションなど、最先端のIT知識やトレンドに触れられる点も大きな魅力です。


3. 年収水準が比較的高い

特に営業職は、成果に応じてインセンティブが支給される場合が多く、20代でも高年収を狙えます。

年齢SaaS営業 年収の目安
20代前半400〜550万円
20代後半500〜700万円
30代600〜900万円

また、ストックオプションやボーナスが用意されている企業もあり、頑張り次第で年収1,000万円を超える人もいます。


4. 若手でも裁量のある仕事ができる

多くのSaaS企業はスタートアップ文化が強く、年齢や年次に関係なく「成果重視」の傾向があります。
そのため20代でチームマネージャーや事業責任者を任されるケースも珍しくありません。


5. スキルの汎用性が高く、キャリアの幅が広がる

SaaS業界で身につくスキルは、他の業界でも活かせる「汎用スキル」です。
具体的には以下のようなものです。

  • 無形商材の提案力
  • 顧客課題を特定するヒアリング力
  • KPI設計・データ分析スキル
  • カスタマーサクセスのマインド

これらのスキルは、コンサルティング業界やマーケティング、起業などにも応用が利きます。


SaaS企業で働く4つのデメリット

メリットが多いSaaS業界ですが、当然ながらデメリットも存在します。
以下のポイントは理解しておくべきでしょう。


1. 成長スピードが速く環境変化に対応が必要

市場環境やプロダクトが短期間で変わるため、常に学び続ける姿勢が求められます。
例えば、1年前に有効だった営業手法が今は通用しない、ということも珍しくありません。


2. ノルマや成果プレッシャーが強い

SaaS営業は成果主義が徹底されており、毎月の達成率が評価の大きな要素になります。
特にスタートアップや外資系の場合、数字へのプレッシャーはかなり強めです。


3. プロダクトや業界知識のキャッチアップが大変

新機能の追加や競合の動向など、学び続ける量が多いのも特徴です。
勉強するのが苦手な人には、ややハードルが高いと感じるかもしれません。


4. 事業フェーズによっては不安定な場合もある

特に創業間もない企業では、資金繰りが厳しくなったり事業撤退するリスクもあります。
安定性を重視するなら、上場済みや大手企業を選ぶのがおすすめです。


📊 SaaS事業フェーズ別・代表的な国内企業例(2025年時点)

フェーズ目安ARR / 調達状況主なリスク代表企業(最新ラウンド)
① PMF探索期(シード〜プレA)~1 億円 / プレA資金繰り・PMF未達Pickyou〈プレA 2.2 億円調達 2025/4/14〉
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000139104.html プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES
② アーリー成長(シリーズA〜B)1〜10 億円単一チャネル依存・解約率上振れRevComm〈プレB 49.5 億円累計〉https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000248.000037840.html プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES
③ グロース(シリーズC)10〜30 億円拡大投資の回収遅延カケハシ〈シリーズC 94 億円 2023/3/29〉https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000033983.html プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES
④ プレIPO/シリーズD以降30〜100 億円IPOタイミング失敗・評価減SmartHR〈シリーズD・企業価値1,700 億円〉https://note.com/_funeo/n/n96c1d57568ff note(ノート)
⑤ 上場・成熟100 億円超成長鈍化・チャーン増Money Forward、freee、Sansan(いずれも東証グロース上場)

※ARRは公開情報・業界ヒアリングをもとにした概算。

🚨 “事業撤退” を示唆する7つのシグナル

シグナル具体例・補足
資金調達難航/ダウンラウンド直近ラウンドからバリュエーションが大幅に下がる/ブリッジファイナンス連発
月次Burn Rate↑・Runway < 6か月手元キャッシュ÷月次赤字が半年未満
大型レイオフ・採用凍結20%超の人員削減や募集職種ゼロ 例:2023年前半の国内外SaaS大量レイオフ blog.allstarsaas.com
プロダクト開発の停滞リリースノートが更新されない/β版が正式版にならない
解約率(チャーン)急上昇ネットワーク効果の逆回転。既存顧客向け値上げを急実施
サポート品質の低下SLG(返信時間)悪化、FAQのみで有人チャネル縮小
公式 “サービス終了のお知らせ”Cybozu Live/Heroku Free Dyno など(下記参照)

🏳️ 過去の「事業撤退・サービス終了」事例

年月企業・サービス背景・撤退理由参考URL
2019/4サイボウズ Cybozu Live老朽化インフラの刷新コストが見合わず、主力製品に資源集中https://boxil.jp/mag/a3233/ BOXIL
2022/11Salesforce/Heroku Free Plan不正利用対策と収益性向上のため無料枠を停止https://help.heroku.com/RSBRUH58/removal-of-heroku-free-product-plans-faq help.heroku.com
2023/12VMware 一部SaaSポートフォリオ事業再編によるサービス集約・合理化https://note.com/reina8888/n/nb559708b7077 note(ノート)
2025/7 予定小林製薬 自社EC SaaS基盤 撤退自社運営をやめ外部ECに切替—固定費圧縮を優先https://netshop.impress.co.jp/node/14404 ネットショップ担当者フォーラム

✍️ 活用ポイント

  1. フェーズ確認 → 志望先のリスク許容度を測る
    例:シリーズC企業なら ARR成長率・キャッシュ残高をIR資料で確認。
  2. シグナル監視 → ネガティブニュースを早期検知
    • キャッシュ残高は官報・官報決算速報で追う
    • レイオフは Layoffs.fyi や PR TIMES のリリースで把握
  3. 撤退事例から学ぶ → システム移行プランを持つ
    Cybozu Live は1年半前に終了告知。顧客はCSVエクスポートで代替サービスへ移行した。終了リードタイム・データエクスポート有無を要チェック。

SaaS事業撤退リスク まとめ

  • シリーズA〜B は “資金調達の壁” が最大リスク
  • シリーズC〜D は “成長鈍化→評価減” に注意
  • 上場後 は “チャーン抑制” と “新規柱事業” が必須
  • 早期に 撤退シグナル を掴み、「代替プロダクト」「契約更新月」を社内で共有しておくと安心です。

これらを踏まえて志望企業や導入ベンダーを見極めれば、リスクを抑えながらSaaSのメリットを最大化できます。

SaaS企業に向いている人の特徴

SaaS業界で成功しやすいのは、以下のような特性を持つ人です。

  • 成長意欲が高く、変化を楽しめる
  • 顧客視点で課題解決を考えられる
  • 数字やデータをもとに考えるのが得意
  • 無形商材に興味がある
  • 自主的に動ける

自己成長と顧客の成功を同時に追求できる人には、大きなチャンスがある業界です。


SaaS企業が向かない人・「やめとけ」と言われる理由

一方で、以下のような志向が強い人はミスマッチになりやすいでしょう。

向かない人の特徴理由
安定志向が強い変化が激しく、状況が日々変わる
ルーティンワークを好む毎月新しい施策や改善が求められる
プレッシャーが苦手成果に対する期待が高い

「やめとけ」と言われるのは、これらの特性を持つ人が入社して苦労するケースが多いためです。


SaaS業界のキャリアパス

SaaS業界では、多様なキャリアパスが描けます。

営業からカスタマーサクセスやマネジメントへ

営業で成果を出し、顧客支援を担うカスタマーサクセスやチームマネジメントにステップアップする例が多いです。


プロダクトマーケティングや事業企画に進む道も

営業・CS経験を活かし、マーケティング戦略や新規事業開発に関わる人もいます。


スタートアップでの起業や独立も可能

業界知識や人脈を活かし、独立して新しいサービスを立ち上げる人も少なくありません。


他業界と比べたSaaS業界の魅力

SIer(システムインテグレーター)との比較

項目SaaSSIer
提供物サービス(無形)システム開発・保守
市場性高成長安定
スキル営業力+IT知識技術力+調整力
年収高め安定

SaaSは成長性や収入面で有利ですが、安定志向ならSIerも選択肢です。


無形商材と有形商材の違い

無形商材は、顧客の課題解決を重視し、深い提案が必要です。
有形商材は、商品が目に見えるため説明しやすいですが、差別化が難しい場合もあります。

どちらもメリット・デメリットがあり、向いている人が異なります。


まとめ:SaaS企業はキャリア形成におすすめか?

SaaS企業のメリット・デメリットを振り返ります。

メリット

  • 成長市場でスキルアップできる
  • 年収や裁量が大きい
  • キャリアの選択肢が広がる

デメリット

  • 環境変化が激しい
  • 成果主義のプレッシャーが強い
  • 安定性に欠ける場合もある

こんな人におすすめ

  • 成長意欲があり、変化を楽しめる
  • 顧客の成功を考えられる
  • 数字やデータに強い

こんな人には向かない

  • 安定第一で働きたい
  • 同じ業務を続けたい
  • プレッシャーが苦手

今後のキャリアを考えるうえで、自分の志向や価値観に合っているかどうかをしっかり見極めることが大切です。
ぜひ今回の記事を参考に、後悔のない選択をしてください!


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