OTEで“高年収”を見抜くコツ)
SaaS営業の求人は「年収800〜1,200万円」など強い数字が出ます。
ただ、その内訳がOTE(基本給+変動給)かどうかで意味が変わります。
さらに達成率・残業・手当まで見ないと「コスパが良い転職」になりません。
この記事では、職種別(IS/FS/CS)にOTE相場と設計の読み解き方を整理します。
OTEとは?年収・想定年収との違い
OTE(On-Target Earnings)は「目標100%達成時の年収見込み」です。
内訳は「基本給+コミッション(インセンティブ)」が一般的です。
日本の求人では、OTEという言葉を使わずに
「想定年収(インセン含む)」と書くケースも多いです。
ここが重要です。
OTEは“確定”ではありません。
達成率が低い組織だと、実年収はOTEを下回ります。
章末:参考URL
- OTEの考え方・基本給とインセン比率例(OTE 6:4など):https://www.computerfutures.com/en-jp/blog/insights/what-is-ote salesforce.com
【結論】SaaS営業のOTE相場は「職種×役職×商材単価」で決まる
まず“目安”のレンジを置きます。
B2B SaaSに近い「IT Vendor」領域の年収レンジが参考になります。
(※OTEそのものではなく、年収レンジの外形把握として使います)
職種別・役職別のレンジ目安(万円)
| 職種(近い役割) | 役職イメージ | 年収レンジ目安(万円) | OTEの“よくある”比率イメージ |
|---|---|---|---|
| IS(Inside Sales/SDR/BDR) | メンバー | 600〜850 | 基本7〜8:変動2〜3 |
| FS(Field Sales=AE) | メンバー | 800〜1,600 | 基本5〜6:変動4〜5 |
| CS(Customer Success) | メンバー | 700〜1,200 | 基本7〜8:変動2〜3(更新連動あり) |
| FSマネ | MGR | 1,200〜1,800 | 基本6:変動4(チーム連動) |
| セールス責任者 | Dir | 1,800〜2,500 | 基本5〜6:変動4〜5 |
※上の年収レンジは「IT Vendor」職種の年収表を参照しています。 BRS – Bilingual Recruitment Solutions
※日本のインサイドセールスは平均年収680万円前後という紹介もあります。 JAC Recruitment
章末:参考URL
- 年収レンジ(IT Vendor職種表・Inside Sales/Account Executive/Customer Success等):BRS Salary Guide 2025(PDF)https://www.brs-pub.com/salary-guide
BRS – Bilingual Recruitment Solutions - インサイドセールス平均年収の目安(JAC):https://www.jac-recruitment.jp/market/insidesales/ JAC Recruitment
- OTEの基本(比率の考え方):https://www.computerfutures.com/en-jp/blog/insights/what-is-ote salesforce.com
職種別に深掘り:OTEの中身はどう違う?
インサイドセールス(IS):安定寄りだが“行動KPI”でブレる
ISは「商談創出」がミッションになりやすいです。
そのためインセンは「アポ数」「SQL数」「パイプライン貢献」で決まります。
アウトバウンド中心の求人も普通にあります。 Michael Page Japan+1
ISで確認すべきポイント
- インセン指標は「商談数」か「受注貢献」か
- SDR(反響)かBDR(新規開拓)か
- BDRの場合、コールドコール比率は何%か
章末:参考URL
- インサイドセールスとテレアポの違い(SDR/BDR):https://ferret-one.com/blog/insidesales ferret-one.com
- アウトバウンド中心のIS求人例(Michael Page掲載例):https://www.michaelpage.co.jp/jobs/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9/japan Michael Page Japan
フィールドセールス(FS=AE):OTEが高いが“達成率”の影響が最大
FSはOTEが盛られやすい職種です。
理由は変動給比率が高いからです。 salesforce.com
加えて、案件の質と配分で当たり外れが出ます。
FSで確認すべきポイント
- 基本給:変動給(例:6:4、5:5)
- 変動給の上限(キャップ有無)
- 立ち上がり期間(ランプ)中の保証
- 担当する市場(SMB/MM/Enterprise)
- 受注単価(ACV)と営業サイクル
FSのテレアポ(アウトバウンド)はある?
結論、会社と体制によります。
ISが強い会社は、FSのコールドコールは少なめです。
一方で、FS側にもアウトバウンドを求める求人もあります。
実例として、フィールドセールス求人に
「コールドコール等でアウトバウンドリーチ拡大」と明記があります。 リクルートエージェント
面接で聞く質問(そのまま使える)
- 「新規商談のうち、FS起点は何割ですか?」
- 「FSがコールドコールする運用はありますか?」
- 「アポ獲得はISが何割、マーケが何割ですか?」
章末:参考URL
- OTEの比率例(OTE 6:4等):https://www.computerfutures.com/en-jp/blog/insights/what-is-ote salesforce.com
- FSでもコールドコールが含まれる求人例(リクルートエージェント求人):https://www.r-agent.com/kensaku/kyujin/20241220-241-01-029.html リクルートエージェント
カスタマーサクセス(CS):インセンが“更新・継続”に連動する
CSは「解約率」「アップセル」「活用定着」がKPIになります。
そのため変動給はFSほど大きくない傾向です。
ただし、アップセル比率が高い組織は例外です。
CSで確認すべきポイント
- KPIが「解約率」か「NRR」か「売上」か
- 更新担当とアップセル担当が分かれているか
- 既存顧客の担当数と、1社あたりの単価
章末:参考URL
- 年収レンジ(Customer Success含む):BRS Salary Guide 2025(PDF)https://www.brs-pub.com/salary-guide BRS – Bilingual Recruitment Solutions
達成率(Quota attainment)を見ないOTEは危険
OTEは「達成できる前提」の数字です。
ところが海外ベンチマークでは、達成が簡単ではありません。
RepVueのCloud Sales Indexでは、四半期で
「目標達成できた人が4割台」という示し方があります。 RepVue
Xactlyの調査でも、クォータ達成が難しいという示唆があります。 Xactly
転職者が見るべきはここです。
- 「組織の達成率(何%が100%達成か)」
- 「自分の担当領域の達成率」
- 「未達時の変動給がどこまで落ちるか」
章末:参考URL
- Quota attainmentの例(RepVue Cloud Sales Index):https://www.repvue.com/cloud-index/2024/Q1 RepVue
- 達成が難しい状況の示唆(Xactlyの発表):https://www.xactlycorp.com/company/press-room/xactly-sales-compensation-report-87-sales-teams-struggle-meet-or-exceed-quotas Xactly
残業込みコスパの見方:実効時給で比較する
「OTEが高い=コスパが良い」とは限りません。
残業と手当で体感が変わるからです。
実効時給の簡易式
実効時給(円)= 実年収(円)÷ 年間労働時間
年間労働時間はざっくりこう置けます。
- 所定:8時間×20日×12ヶ月=1,920時間
- ここに残業(例:月25時間×12=300時間)を足す
例:同じ年収でも“残業差”で時給が変わる
- 年収900万円、残業0時間 → 900万÷1,920h ≒ 4,687円/h
- 年収900万円、残業月30h → 900万÷2,280h ≒ 3,947円/h
差は約740円/hです。
年換算だと体感が大きくなります。
参考:SaaS企業の残業時間(OpenWork掲載例)
OpenWorkは投稿時期や職種でブレます。
ただ「コスパの目安」には使えます。
| 企業例 | 月間平均残業(例) | 参照ページのタイプ |
|---|---|---|
| Sansan | 27.2時間 | 他社比較ページ |
| freee | 21.5時間 | 他社比較ページ |
| マネーフォワード | 25.3時間 | 他社比較ページ |
※上はOpenWorkの比較ページに記載の数値例です。 OpenWork+2OpenWork+2
手当・福利厚生も“年収の外”で効く
例えば、在宅手当や住宅補助があると可処分が変わります。
SmartHRは以前のリモートワーク手当(月5,000円)を
カフェテリアプランへ移行した旨を公開しています。 note(ノート)
Sansanの求人票では住宅手当の記載例もあります。 doda
章末:参考URL
- 残業時間例(OpenWork比較:Sansan):https://www.openwork.jp/a0C1000000qckQU/compa/a0C10000013rL4l/ OpenWork
- 残業時間例(OpenWork比較:freee):https://www.openwork.jp/a0C1000000sgO4l/compa/a0910000000Fr7h/ OpenWork
- 残業時間例(OpenWork比較:マネーフォワード):https://www.openwork.jp/a0C1000000sgO47/compa/a0C1000000rS8dv/ OpenWork
- SmartHRの働き方制度(リモート手当→カフェテリア移行の説明):https://note.com/smarthr_co/n/n05d570fb7f4f note(ノート)
- Sansanの求人票(通勤手当・住宅手当の記載例):https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchDetail/j_jid__3013639763/ doda
競合比較パート:IS/FS/CSの年収が上下する“構造”を押さえる
同じ職種名でもOTEがズレる理由は、だいたい構造で説明できます。
1)ターゲット企業規模(SMB/MM/Enterprise)
- SMB:件数勝負。達成しやすいが単価は低め
- Enterprise:単価は高いがサイクルが長い
2)ACVと営業サイクル
ACVが大きいほど、変動給も大きくなりやすいです。
ただし未達のリスクも増えます。
3)分業の強さ(IS→FS→CS)
分業が強いと、FSのテレアポは減りやすいです。
逆に少人数だとFSがアウトバウンドも持ちます。 リクルートエージェント
章末:参考URL
- FSでもアウトバウンドが含まれる求人例:https://www.r-agent.com/kensaku/kyujin/20241220-241-01-029.html リクルートエージェント
注意点・リスク(良い話だけにしない)
OTEが高い求人で起きがちな落とし穴
- 達成率が低く、実年収がOTEに届かない
- ランプ中の保証がなく、初年度が沈む
- 変動給の条件が複雑で読めない
- みなし残業込みで、実効時給が下がる
交渉・確認で守れること
- 「達成率の分布」を聞く
- 「未達時のコミッション計算式」を聞く
- 「キャップ有無」を聞く
- 「初年度保証(Draw/Guarantee)」を聞く
章末:参考URL
- OTEの定義と内訳の説明:https://www.computerfutures.com/en-jp/blog/insights/what-is-ote salesforce.com
- 達成が難しい状況の示唆(Xactly):https://www.xactlycorp.com/company/press-room/xactly-sales-compensation-report-87-sales-teams-struggle-meet-or-exceed-quotas Xactly
まとめ(次にやること)
SaaS営業のOTE相場は「職種×役職×商材単価」で決まります。
ただしOTEは“達成前提”なので、達成率と残業で現実が変わります。
次は、気になる企業の求人票で「内訳」と「達成率」を確認してください。
可能ならOpenWorkで残業も見て、実効時給で比較すると失敗しません。


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