トヨクモとは?事業内容とSaaS企業としての特徴
「トヨクモは聞いたことあるけれど、何をしている会社なのかはよく分からない」という方は多いと思います。
まずは会社の全体像から押さえていきます。
トヨクモは、「すべての人を非効率な仕事から解放すること」をミッションに掲げるSaaS企業です。法人向けクラウドサービスを軸に、
- 安否確認サービス
- kintone連携サービス群
- スケジューラー
- ナレッジ管理SaaS「NotePM」
といった複数のクラウドを展開しています。トヨクモ株式会社+1
もともとはサイボウズの100%子会社として設立され、その後MBOを経て独立。2021年には東証グロース市場に上場しており、10年以上にわたり安否確認とkintone連携というニッチ領域で実績を積み上げてきた会社です。トヨクモ株式会社
沿革を見ると、2011年に安否確認サービス、2012年以降はkintone連携サービスを次々とリリースし、2021年の上場、2023年のトヨクモクラウドコネクト設立、2025年1月のNotePM運営企業(プロジェクト・モード)子会社化など、SaaSポートフォリオ拡張の動きがはっきり見えます。トヨクモ株式会社+2Yahoo!ファイナンス+2
営業職目線で見ると、「防災×BCP」「kintoneエコシステム」「ナレッジ管理」と、比較的“固め”で業務寄りのテーマを扱うことが特徴です。派手さはないものの、景気に振られにくい業務領域を押さえていると言えます。
参考URL
トヨクモ 会社情報:https://www.toyokumo.co.jp/aboutus
トヨクモ IR 事業戦略:https://www.toyokumo.co.jp/ir/strategy
トヨクモの主力プロダクトと特徴
次に、「トヨクモのプロダクトが何をしているのか」を整理します。ここが分かると、「自分が何を売るのか」がイメージしやすくなります。
安否確認サービス2
トヨクモを代表するのが、企業向け安否確認システム「安否確認サービス2」です。
地震・津波・特別警報などと連動して自動で安否確認メールを配信し、従業員の回答を自動集計できるクラウドサービスです。トヨクモ 安否確認サービス2+2Yahoo!ファイナンス+2
特徴は以下の通りです。
- 気象庁の情報などと連動し、自動配信できる
- 回答状況をリアルタイムで一覧確認できる
- 掲示板・グループメッセージ機能で対策指示まで出せる
- 月額6,800円〜と中小〜中堅企業でも導入しやすい価格帯
2024年時点で、契約社数は3,500社超と公表されており、ITreviewの安否確認システム部門で「Leader」を18期連続受賞するなど、満足度と認知度の両面で高い評価を獲得しています。トヨクモ株式会社+1
kintone連携サービス群
2つ目の柱が、サイボウズの「kintone」と連携するクラウドサービス群です。
代表的なサービスとしては、トヨクモのkintone連携サービス+2トヨクモのkintone連携サービス+2
- FormBridge:Webフォームからkintoneにデータを自動登録
- kViewer:kintoneのデータをWebページとして公開
- kMailer:kintoneのデータを元に一斉メール配信
- PrintCreator:kintoneのデータから帳票や見積書を自動生成
- DataCollect / kBackup などのデータ連携・バックアップ系
- TOYOKUMO Scheduler:スケジュール共有と日程調整を行うスケジューラー
イメージとしては、「kintoneを業務システム並みに便利にする周辺SaaS群」です。
1つ導入するだけでも便利になりますが、複数組み合わせることで“ノーコードWebシステム”として活用できるのが強みです。Yahoo!ファイナンス
NotePM(ナレッジ管理SaaS)
2025年にトヨクモグループ入りしたのが、社内Wiki・ナレッジ管理SaaS「NotePM」です。NotePM+2トヨクモ株式会社+2
NotePMの主な特徴は以下です。
- マニュアル・ノウハウ・議事録など“文章のナレッジ”を一元管理
- 添付ファイルの中身まで含めた強力な全文検索
- テンプレート・Markdown対応で、誰が書いても読みやすいドキュメントにできる
- アクセス権限・履歴管理など、企業利用を前提とした設計
料金は、例えば「プラン25」で月額15,000円(編集ユーザー25名・閲覧ユーザー75名・250GB)など、中小〜中堅企業でも導入しやすい水準です。Kipwise+2narekan.info+2
トヨクモのプロダクト構成イメージ
| カテゴリ | サービス例 | ターゲット課題 |
|---|---|---|
| 防災・BCP | 安否確認サービス2 | 災害時の安否確認・事業継続 |
| 業務プラットフォーム拡張 | FormBridge / kViewer / kMailer / PrintCreator / Scheduler | kintoneの機能拡張・業務自動化 |
| ナレッジ管理 | NotePM | マニュアル・ノウハウの属人化解消 |
参考URL
安否確認サービス2 公式サイト:https://www.anpikakunin.com
トヨクモのkintone連携サービス一覧:https://www.kintoneapp.com/services
トヨクモ 製品一覧:https://www.toyokumo.co.jp
NotePM 公式サイト:https://notepm.jp
営業目線で見る「売りやすさ」と営業トークのイメージ
転職を考えるうえで、「この商材、自分に売れるのか?」は重要なポイントです。
ここでは、各プロダクトの営業イメージを簡単に描いてみます。
安否確認サービス2の提案トークと競合排除
安否確認システムは、近年ほとんどの中堅以上の企業で導入済み、あるいは検討中と言われるほど普及しています。ITツール・Webサービス比較サイト| STRATE[ストラテ]+2Aspic Japan+2
よくある提案シーン
- BCP対策を強化したい総務部・人事部
- 本社が首都圏にあり、地震・豪雨などのリスクが高い企業
- すでに何らかの“連絡網”はあるが、運用負荷や訓練で困っている企業
提案トークの例
- 「御社は何分以内に、全社員の安否状況を把握したいですか?」
- 「現在の安否確認フローを、実際の災害時に回せるイメージはありますか?」
- 「お手持ちの連絡網だと、“誰が未回答なのか”を集計するのに時間がかかりませんか?」
その上で、トヨクモの安否確認サービス2の特徴を紐づけていきます。
- 自動配信+自動集計 → 担当者の負荷を大幅に削減
- 掲示板・グループチャット → 単なる安否確認ではなく“その後の対策指示”までカバー
- 大規模一斉訓練でも安定稼働した実績 → システムとしての信頼性アピールYahoo!ファイナンス+1
競合排除の切り口
安否確認サービスは、セコム・ALSOK・NTT系など大手も多い領域です。ビジトラ+2FitGap+2
- 大手セキュリティ系:
- 強み:ブランド力・大企業実績
- 弱み:中堅〜中小企業にはオーバースペック・高価格になりがち
- トヨクモ:
- 強み:中堅〜中小企業まで含む幅広いレンジで導入しやすい価格とUI、ITreviewでの高評価
「大企業志向のサービスに比べて、価格・運用のしやすさ・UIで中堅〜中小企業にもフィットしやすい」というポジションで語りやすいです。
kintone連携サービスの営業トークとアップセル戦略
kintone連携サービスは、「既にkintoneを使っている企業」に対しての提案が中心になります。
よくあるハマり方
- kintoneでフォームを作ったが、外部公開やWebフォーム連携が弱い
- kintoneのデータを帳票化するのにExcel作業が発生している
- kintone×メール配信を手作業で行っている
提案トークの例
- 「今、kintoneをもっと“攻めの業務ツール”として使えている実感はありますか?」
- 「このExcel作業、kintone連携サービスで自動化できたら、何時間浮きそうですか?」
- 「Webフォームからの申し込み〜kintone登録〜自動返信メールまで、一気通貫で回せたら便利ですよね。」
ここでは「1サービスからスモールスタートし、効果が出たら他サービスにも広げる」というアップセル戦略が組み立てやすいのがポイントです。
NotePMの営業トークと導入効果
NotePMは、社内ナレッジやマニュアルが散在している企業に刺さる商材です。
典型的な課題例
- 新人が「誰に聞けばいいか分からない」状態になりがち
- マニュアルがExcel/PowerPointでフォルダに眠っている
- Slack・Teams・メールに情報が流れていき、検索しても出てこない
提案トークの例
- 「同じ質問に何度も答えている時間、どのくらい発生していますか?」
- 「“あの資料どこ?”で探す時間を、月に何時間くらい使っていそうですか?」
- 「NotePMなら、“検索1回で解決”できる状態を一緒に作れます。」
ナレッジマネジメント市場は、2023年時点で約4,000億円規模とされ、24〜25年にかけても拡大が続くと予測されています。
成長市場に乗ったプロダクトであることは、営業としてもポジティブな要素です。
参考URL
安否確認サービス2 提案資料例(ソフトバンク):https://tm.softbank.jp/content/dam/common/services/mobile/partner/pdf/toyokumo-anpikakunin/toyokumo-anpikakunin-proposal.pdf
安否確認サービス 比較記事(ASPIC):https://www.aspicjapan.org/asu/article/1224
安否確認システム比較記事(Bizトラ):https://bizitora.jp/topics/gl-safety-confirmation-system-compare/
ナレッジマネジメント市場解説(BOXIL):https://boxil.jp/mag/a8647/
トヨクモのビジネスモデルと収益構造
トヨクモは典型的なサブスクリプション型SaaS企業です。
売上の中心は、月額・年額の利用料=ストック収益で構成されています。Yahoo!ファイナンス+1
IRでは、以下の指標を重視していると明言しています。
- 月次売上
- MRR / ARR(経常収益)
- チャーンレート(解約率)
- 有償契約数
- LTV(顧客生涯価値)
これらはSaaS企業の“教科書的な”KPIであり、まさにストックビジネスとしての成長にフォーカスしていることが分かります。トヨクモ株式会社
また、IRの事業戦略では「広告宣伝費+減価償却費+のれん償却費+営業利益」を“本業収益力(稼ぐ力)”として開示するとしており、テレビCMや交通広告などブランド投資と、M&A(NotePMの子会社化など)を組み合わせた成長戦略を取っているのが特徴です。
営業職としては、
- 契約後も解約されにくい(チャーンが低い)サービスを売っている
- 1社あたりのLTVが大きくなる構造
- 既存顧客へのクロスセルが設計しやすい
という点で、「売りっぱなしではなく積み上がっていくビジネス」を担当できるイメージを持っておくとよいと思います。
参考URL
トヨクモ IR 事業戦略(KPI解説):https://www.toyokumo.co.jp/ir/strategy
トヨクモ 決算短信(2024年12月期):https://www.toyokumo.co.jp/ir
業績推移と成長ドライバー
「将来性」を語るうえで、業績の伸びは避けて通れません。
トヨクモは上場後も高い成長率を維持している数少ないSaaS銘柄の一つです。
2024年12月期の個別業績を見ると、Yahoo!ファイナンス+1
- 売上高:31.22億円(前年比+28.3%)
- 営業利益:11.73億円(前年比+34.1%)
- 当期純利益:8.52億円(前年比+35.0%)
と、売上・利益ともに高い成長率を維持しつつ、営業利益率も30%台という高水準です(決算短信の数値から算出)。連結ベースでは、2025年12月期に売上高46億円、営業利益14億円を見込む業績予想も開示されています。Yahoo!ファイナンス
成長ドライバーとして見える要素
- 安否確認サービス2の契約社数拡大(一斉訓練の実施規模拡大)Yahoo!ファイナンス+1
- kintone連携サービス群のアップセル・クロスセル
- トヨクモスケジューラーなど新プロダクト
- NotePMの子会社化によるナレッジ管理領域への拡大
特に、防災・BCP領域とナレッジ管理領域は、市場自体の成長性が高く、安定的な需要が見込める分野です。
「SaaSとしての伸び」と「市場自体の伸び」が両方期待できるのは、営業職から見ても安心材料になるでしょう。
参考URL
トヨクモ 決算短信(2024年12月期):https://finance.yahoo.co.jp/quote/4058.T/financials
トヨクモ IR情報トップ:https://www.toyokumo.co.jp/ir
市場環境と業界トレンド
トヨクモの将来性を判断するには、「市場全体の伸び」もセットで見る必要があります。
安否確認システム市場
安否確認システムは、東日本大震災以降、企業のBCP意識の高まりとともに導入が急速に進んだ領域です。
ある調査では、従業員数300名超の企業では8割以上が安否確認システムを導入しているとされており、特に大企業中心に普及が進んでいます。ITツール・Webサービス比較サイト| STRATE[ストラテ]+1
一方で、中小〜中堅企業ではまだ導入余地が残っており、価格・運用のしやすさを武器に新規導入を狙えるフェーズと言えます。
各種比較記事でも、安否確認サービス2はセコム・NTT系サービスなどと並ぶ主要製品として継続的に取り上げられています。Yahoo!ファイナンス+3Aspic Japan+3ビジトラ+3
ナレッジマネジメント市場
ナレッジマネジメントツール市場は、リモートワークの定着や人材流動性の高まりを背景に、世界的にも成長が続いています。
調査によると、SaaS型ナレッジマネジメントツールの市場は2023年時点で約4,000億円規模、2025年には5,000億円超まで拡大すると予測されています。Straits Research+3BOXIL+3Genspark+3
NotePMは、
- マニュアル・手順書
- FAQ・ナレッジ
- 社内Wiki
など「文章での情報共有」に特化したプロダクトとして位置付けられており、日本企業の実務に馴染みやすいUIが評価されています。
トヨクモとしては、既存の業務効率化SaaS(安否確認・kintone連携)と、ナレッジ管理(NotePM)を組み合わせることで、「非IT企業のバックオフィスDXを総合的に支援するグループ」へと進化していくシナリオが描きやすい状況です。
参考URL
安否確認システム導入率(STRATE):https://strate.biz/safety_confirmation/c_market-size-8/
安否確認システム市場・比較記事:
https://www.aspicjapan.org/asu/article/1224
https://www.itreview.jp/categories/safety-confirmation
ナレッジマネジメント市場解説:
https://boxil.jp/mag/a8647/
https://it-trend.jp/knowledge_management/article/25-4724
競合比較から見るトヨクモのポジション
ここでは、ざっくりと競合との比較イメージを整理します。
安否確認サービス領域の競合
代表的な競合としては、
- セコム安否確認サービス(セコム)
- ALSOK安否確認サービス
- NTTグループの安否確認系サービス
- 各種ITベンダー提供の安否確認システム
などがあります。FitGap+3ビジトラ+3Aspic Japan+3
ざっくり比較イメージ
| 領域 | トヨクモ(安否確認サービス2) | 大手セキュリティ系 |
|---|---|---|
| ターゲット | 中堅〜大企業まで幅広く | 特に大企業向けが強い |
| 価格帯 | 比較的導入しやすい | 高価格になりやすい |
| UI/UX | Webサービスらしい軽快さ | 堅牢だがややシステム感強め |
| 機能 | 安否+掲示板+グループチャット | 安否+周辺サービス連携 |
| 市場評価 | ITreviewで高評価・Leader連続受賞 | ブランド力・信頼性が高い |
「大企業向けのセキュリティブランド」vs「クラウドネイティブで使いやすい安否確認SaaS」という構図で、トヨクモの立ち位置が見えてきます。Yahoo!ファイナンス+1
ナレッジ管理領域でのNotePMのポジション
ナレッジ管理では、
- Confluence
- Notion
- SharePoint
- 国産ナレッジツール各種
など多くの競合が存在します。
NotePMの強みは、
- 日本企業の業務フローに合わせた「マニュアル・手順書」向き設計
- テンプレートとMarkdownで文書を整えやすい
- 中小〜中堅企業でも導入しやすい価格帯
といった“現場に馴染みやすいナレッジツール”という点です。
海外製ツールと比べて、「英語UIがネックになる」「多機能すぎて定着しない」といった問題が起こりにくいのは、大きな差別化ポイントだと感じます。
参考URL
安否確認サービス比較(Bizトラ):https://bizitora.jp/topics/gl-safety-confirmation-system-compare/
安否確認システム比較(ITreview):https://www.itreview.jp/categories/safety-confirmation
NotePM 特徴・評判まとめ記事:
https://www.narekan.info/guide/notepm/
https://notepm.jp/blog/29285
トヨクモの将来性と成長シナリオ
ここまでの情報を踏まえて、「トヨクモの将来性」を仮説ベースで整理します。
成長が期待できるポイント
- ニッチかつ重要度の高い領域を押さえている
- 災害・BCP対策(安否確認)
- バックオフィス業務の効率化(kintone連携)
- ナレッジ管理(NotePM)
いずれも、景気に左右されにくく、長期的に必要とされる領域です。NotePM+4Yahoo!ファイナンス+4トヨクモ 安否確認サービス2+4
- SaaSらしいストック収益と高い利益率
- 売上高+2〜3割成長
- 営業利益率30%前後
といった水準を維持しており、キャッシュ創出力が高いビジネスモデルです。Yahoo!ファイナンス+1
- NotePM子会社化によるポートフォリオ拡大
- 既存顧客へのクロスセル
- グループ全体としての“業務効率化SaaSパッケージ”化
といったシナジーを期待できます。トヨクモ株式会社+2NotePM+2
- 広告・M&Aを組み合わせた攻めの投資姿勢
- TVCM・交通広告などでブランド強化
- NotePMの買収などM&Aも活用
成長投資と利益確保のバランスを意識した戦略がIRに明記されています。トヨクモ株式会社+1
意識しておきたいリスク要因
一方で、以下のようなリスクもあります。
- 安否確認・kintone連携など、特定領域への依存度が高い
- 競合も多く、機能のコモディティ化が進む可能性
- 人材獲得競争(特にエンジニア・PdM)が激しい
- NotePM買収に伴うのれん償却や統合作業のリスク
SaaS企業全般に言えることですが、「解約率が上がる」「競合との価格競争が激化する」といった事態になった場合、成長率・利益率の両面でプレッシャーがかかります。
その意味で、IRがチャーンレート・LTVを重視しているのは納得感があります。トヨクモ株式会社+1
参考URL
トヨクモ IR 事業戦略:https://www.toyokumo.co.jp/ir/strategy
NotePM 販売総代理店化・子会社化リリース:
https://www.toyokumo.co.jp/2025/02/03/20250203-NotePM
NotePM トヨクモグループ参画のお知らせ:https://help.notepm.jp/hc/ja/articles/42116526189337
トヨクモで働く営業職のキャリア価値
最後に、「営業としてトヨクモに転職する価値」を整理します。
募集ポジションと想定される動き方
公式採用サイトやOpenWorkの求人情報を見ると、エンジニア職の求人が目立つものの、法人向けクラウドサービスを扱う会社である以上、今後もセールス・CSポジションは一定数存在すると考えられます。トヨクモ株式会社+2OpenWork+2
営業ポジションに入った場合、例えば以下のような動き方が想定されます。
- 安否確認サービス2の新規導入提案
- kintone導入済み顧客への連携サービス提案(アップセル・クロスセル)
- NotePMを含めたグループ横断の提案
プロダクト数が多いため、「単一商材を売り切る」というより、顧客課題を見ながら最適な組み合わせを提案するプリセールス寄りのスタイルになりやすいと想像できます。
年収レンジと働き方のイメージ
OpenWork上のクチコミ・求人情報を見ると、エンジニアや社内SEで年収700〜900万円台のレンジの求人が掲載されており、「給与レベルは比較的高め」という声が見られます。
また、あるクチコミでは、
- 業務が合理化されており、無駄な仕事が少ない
- 年功的な昇給カーブを描きやすい
- 有給消化率が高く、残業は月30時間前後
といったコメントも見られます(あくまで一部社員の声であり、部署・時期によって差はある点には注意が必要です)。OpenWork
営業職としては、
- ある程度高い単価のSaaSを扱う
- ストック収益型のため、継続的な契約維持が評価につながる
- プロダクト数が多く、提案の幅が広い
という意味で、「SaaS営業としての総合力を磨きやすい環境」と言えそうです。
身につくスキルと次のキャリア
トヨクモで営業として働くことで、例えば以下のようなスキルは身につきやすいと考えられます。
- 防災・BCP・バックオフィスDXに関するドメイン知識
- kintoneエコシステムやノーコード開発の知識
- サブスクSaaSのKPI(MRR/ARR、チャーン、LTV)に基づく営業の考え方
- 単一商材ではなく、ポートフォリオを組み合わせて提案するスキル
これらは、将来的に
- 他のSaaS企業(タレマネ、人事SaaS、業務基盤SaaSなど)
- SIerからSaaS側へのキャリアチェンジ
- カスタマーサクセス・BizDevへのシフト
といったキャリアにも転用しやすいスキルセットです。
参考URL
トヨクモ 採用情報:https://careers.toyokumo.co.jp
トヨクモ OpenWork 口コミ・求人:https://www.openwork.jp/company.php?m_id=a0C10000014BgP7
他SaaS企業と迷う場合の比較軸
もしあなたが「トヨクモ以外のSaaS企業も検討している」のであれば、以下のような観点で比較してみると整理しやすくなります。
- 商材のテーマ(防災・バックオフィスDX・人事・会計・マーケなど)
- 1社あたりの案件規模/提案の難易度
- 新規開拓中心か、既存深耕中心か
- ポートフォリオ(単一プロダクト vs 複数プロダクト)
- マーケットの成長性と飽和度
トヨクモは、
- テーマ:防災・BCP、業務効率化、ナレッジ管理
- 案件規模:中堅〜大企業中心だが、中小企業もカバー
- スタイル:新規+既存クロスセルの両方
- 市場:ニッチだが、長期的な需要が続きやすい領域
というポジションにあります。
「営業として、ドメイン知識を積み上げながら腰を据えてSaaSキャリアを築きたい」というタイプには、相性が良い企業だと感じます。
まとめ|トヨクモは20〜30代SaaS営業の転職先としてアリか?
最後に、この記事のポイントを簡単に整理します。
- トヨクモは、安否確認サービス2・kintone連携サービス・NotePMなど、業務寄りで堅実なSaaSを展開する企業
- 売上・利益ともに高い成長率と利益率を維持しており、ストック収益モデルとしての“強さ”が数字にも表れている
- 市場環境としても、防災・BCP領域とナレッジ管理領域は、長期的に需要が見込める成長分野
- 営業としては、「複数プロダクトを組み合わせて提案する」「ストック収益を積み上げる」タイプのSaaS営業スキルが磨かれる
- 一方で、特定領域への依存度や競合の多さなど、リスクもゼロではない
結論としては、
「安定感のあるニッチ市場でSaaS営業の基礎〜応用をしっかり積みたい」
「派手さよりも、着実に積み上がるビジネスを担当したい」
というタイプの20〜30代営業職にとって、トヨクモは“十分に転職検討する価値がある”企業と言えます。
逆に、
- BtoC寄りのプロダクトをやりたい
- マーケティングテックや広告SaaSのような派手な領域をやりたい
という志向が強い場合は、他のSaaS企業も併せて検討した方がよいかもしれません。


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